日本とスペインのサッカー定義・解釈の違い

Jun 23, 2019

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●サッカーの定義の違い

 

日本とスペインではサッカーの定義や解釈が違っています。

サッカーというスポーツを定義するとしたらどんな言葉で表せるのでしょうか?

言語化することで、日本とスペインでのサッカーの解釈の違い、文化の違いが影響してくるのではないか?という話をしていきます。

  

●サッカーの定義

  

スペインでは、サッカーはどんなスポーツ?

昔、スペインのコーチングスクールに通っていた時に講師こんな質問が出ました。

「サッカーとは何か?定義せよ」

僕の頭は真っ白になりました。
サッカーが大好きで、好きすぎてスペインにまでコーチ留学しているのに、「サッカーとは何か?」が言語化できていなかった自分にショックを受けたからです。

言葉の定義の重要性を感じた最初の瞬間だったかもしれません。

サッカーは自由なスポーツ?
サッカーは人生である
サッカーはアート
戦略?戦術?

点を取り合うスポーツ?
駆け引き?
個人の育成?

そもそもサッカーは日本で生まれたスポーツではないんです。
なので、そのスポーツの歴史、特性を知る必要があります。

例えば著名な方々は以下のように定義していました。

 

フリオ・ガルガンタ(ポルトガル代表スタッフ)サッカーは集団スポーツであり、もっとも重要なのは戦術である。
技術、メンタル、フィジカルは全て戦術を遂行するためにある。
サッカーとは 競技(スポーツ)であり遊び(プレー)である。
プレーこそ、まさに戦術的インテリジェンスとなる。

 

ランデル・エルナンデス(アスレチック・ビルバオコーチ)サッカーは頭で始まり、足で終わる

 

ジョセップ・クロテット(元オックスフォードユナイテッド監督)サッカーとは闘いである。なぜなら2チームにあるのにボールは一つしかないからだ!

 

白井 裕之氏(ゲーム・ビデオ分析アナリスト)オランダでは
「1つのボール、2つのゴール、11人ずつの2チーム、制限されたスペース、
2つのチームが相対してプレーする方向があり、
ゲームを実行するためのルールを守ることによって成り立つゲーム」と定義されている。

 

もちろんこれは人によって様々な解釈がありますし、これが正解ということもないでしょう。

その時の講師の答えは明確に「闘いだ」

「なぜならサッカーというスポーツは2チームあるのに、ボールが1つしかない。その時点で争いが始まる。しかも、状況は目まぐるしく変わり続け、その中で正しい判断をしていかなければいけない非常に大変なものである。」

この出来事が、私のサッカーの考え方、見え方が大きく変わった瞬間でした。

そしてGKについてジョアンから学んでさらに考えが変わるわけですが、、、

 


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 世界最高レベルのGKコーチの育成力

   blog:2019.7.3

  GKコーチジョアンのすごさを語りたい。 僕がもっとも影響を受けたGKコーチであるジョアン・ミレッ。 僕は「この人のGK理論は世間をひっくり返すだけの力がある」と思っていました。彼の素晴らしいところは有名になりたいわけでも、自分の理論を...

 

●行動プロセス

 

サッカーは闘いであるということを踏まえて、実際どのようにプレーしていくか。選手がプレーを行う時のプロセスを図にすると以下のようになります。

 

サッカーに限らず、人は何かの刺激をキャッチし(知覚)、
その刺激がどういうもので(分析)、
それに対してどんな行動をするか(決断)し、
最後に実際に何か行動を起こす(実行)というプロセスを意識、無意識に関わらず、必ず人は行っています。

経験を積むということは、これまで行ってきた行動を振り返り(フィードバック)、それによって似たような状況が出た時に予測が立つようになることで、
分析、決断のスピードが更に上がることを指すわけです。

よって状況を把握した瞬間には、無意識レベルで決断し、実行できる選手が判断の速い選手ということになります。

この状況はどうなっているのか?
その時に自分は何をしたらいいのか?
それをどういう方法でやるのか?

というプロセスを通って、実際に実行しています。 

 

●目に見えない所に注目すること

 

問題なのは、目に見えるのは「実行の部分だけ」というところです。

そして統計で見るとなんと80%は知覚・判断のミスで、20%が実行のミスというデータも出ています。

練習に割いている割合はどうでしょう?

私たちコーチはどの部分に対してコーチングをしているでしょうか?
どの部分が一番目につきますか?

以前の私もそうでしたが、圧倒的に実行の部分に目が行きます。
多くの指導者、保護者が口にするのはこの目に見える部分が大半です。
「もっとちゃんと蹴れ」
「しっかりコントロールして」
「なんでそこで抜かれるんだ!」
「やりきれ!」

これまで色々なコーチと話をしてきても「技術がないから顔が上がらない」と思っているコーチがとても多いことに気づきました。それは間違いかというとそうではありません。

確かに技術がある選手の方が顔が上がる可能性は高い。

ただ、私が言いたいのは実行からのアプローチで本当に、状況を観れる能力や予測する能力は上がるのか?ということです。

結果としてボールを扱う技術は高いけど、状況判断が苦手。
チームでつながってプレーできない。守備のポジションが取れない。
戦術的にプレーすることがわからない。走って頑張るだけ。

 

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   blog:2018.12.18

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これはなぜ起こっているのでしょうか?

それは個人の育成が目に見える技術(しかも攻撃だけ)に特化しているからではないでしょうか?

人間の自然に発生するプロセスがまずは知覚で取り入れてから実行に移すのであれば、そのプロセス通りにアプローチしてもいいんじゃないかと。

実は目に見えていない知覚・判断がプレー中に起こるミスの大半にも関わらず、そこに関するトレーニングはあまり意識されていないことが多い。

ポジショニングもそうです。どこに立った方が優位に立てるか?教えるのが難しいことなのです。

 

 

でも、現状はドリブル、リフティングのトレーニングに費やされる時間が本当に多い。
それは目に見えて(数字で、またはできたかできなかったか)成果がわかるから教えやすいという部分もあります。

これが行きすぎた結果、「個人の育成が大事だ」と言って見に見える部分しかトレーニングしない。その結果試合に勝てない。その選手が上のステージ行った時にプレーできないということが起こっています。

ここで個人が育っているチームたくさんあるじゃないか!!という声が聞こえてきそうですが、その選手が何人Jリーガーになったのでしょう?何人日本代表でプレーしたのでしょうか?

個人を育てるとうたっているのであれば、トップレベルまでいく選手が多く出てもよいはず。

ヨーロッパトップレベルのチームで活躍する選手がどうして少ないのでしょう?

 

つまり、要因はコーチによる「サッカーに対する解釈」が違うことで大きな問題になっているのではないかと考えています。

 

その中でも、ポジショニング、切り替え、守備についてはどれだけ上手くてもチームとしてプレーする以上約束事としてできるようにならないといけません。

 

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●これから取り組んでいくこと

 

順番はあくまでチームからの逆算で個人です。
個人の積み重ねがチームではない。

サッカーは団体スポーツだから、その中で個人に働きかける
サッカーの組織、つながりの部分から教えて、個人の判断にしていくか

それとも個人が大事だから個人にフォーカスするか?

結果的に全く違うアプローチになってしまいます。

私の定義は以下の通りです(今の所)

サッカーは戦いである。何の戦いか?
それはゴールを奪うためにスペースを取り合う戦い、
ゴールルートを作る主導権を奪い合う戦いである。

そう考えるとどういうシステム、戦い方、メンバー、人種、性別、年齢であれ以下の3つがサッカー選手として必要な能力なのではないかと考えました。

・判断の質(その状況に適切かどうか?より効果的か?)

・判断のスピード(状況を把握して何をするか決断するまで)

・実行スピード(技術、決断から体が実行に移すスピード)

 

 

考えてプレーする から  無意識で反応するようになるために
考え方の整理と反復が必要になります。

改めて忘れていけないのはサッカーは団体スポーツであり、決して個人スポーツではないということ。

わかりやすい例は世界最高の選手と言われているメッシでさえ、バルセロナでプレーしている時とアルゼンチン代表でプレーしている時とでパフォーマンスが変わってしまいます。
トレーニング時間の違いももちろんあります。

以前にチームメイトだったシャビがこう言っていました。
「メッシは紛れもなく世界一の選手だ。バルサの選手は全員それがわかっているから、彼が最後一番プレーしやすい状況を作るためにプレーする。

でも、アルゼンチンはメッシ以外にも決定的仕事ができる選手が多くいる。他の選手がいいとか悪いとかではなくてね。
それは何を意味しているかというと全員がメッシのためにプレーするわけではないという状況が生まれるんだ。これがバルサでのメッシとアルゼンチン代表の時の違いだよ」と話していました。

個人にだけフォーカスを当ててしまうとチームとしてプレーできるない選手を生み出すことになってしまいます。結果的にそういう選手は試合に使いにくいのです。

 

(スペイン語ですが)

サッカーは個人スポーツではなく、他者(味方も敵も)の影響を互いに受けるものなのです。

スペイン人は一般的に日常生活は個人主義です。だからこそ「チームの負けは自分の負けになるから、嫌でも協力しないとサッカーは勝てない」と考えている。

日本人は普段の生活はかなり協調性があって、集団意識が強い。でも、なぜかサッカーになると個人主義になってしまうことが多い。

日本人は外国人にない特徴を持っています。

一つは空気を読むこと、読めること。

ということは、チームとして「ここは相手をやっつけられそう」「ここは我慢の時間だな」というように全員で空気が読めるようになったら、もっともっと強いチームが出てくると思うんですが、いかがでしょうか?
 
実はこのアイデアは黒子のバスケの全員がゾーン状態になる直結連動型(ダイレクトドライブゾーン)からヒントをもらいました。

 

●まとめ

 

○サッカーというスポーツの定義を明確にする

○サッカーのプレー行動プロセスを理解し、実行ばかりではなく、目に見えない部分も大事にする

○サッカーチーム全体で空気を読めるようになったら日本人は面白い!

  

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